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寒中水泳


わたしたちマンネリだよね、と日曜の午後に言い出したのは彼女の方だった。付き合って五年目、確かにそうだなといきおい乗っかって、車を走らせて誰もいない砂浜へ行った。

シーズンオフの波打ち際はゴミが目立った。打ち上げられた海藻も気になる。

ありったけのバスタオルとたき火の用意をして、僕と彼女は車の中で服を脱いだ。クローゼットから引っ張り出した水着を身につけ、せーのでドアを開け、走り出す。

ビーチサンダルに素足、しゃりっと入り込む砂粒すら冷たい。彼女が細い悲鳴を上げる。水しぶきを上げながら波をかきわける、サンダルを放りだして、ばしゃばしゃと沖へ、乱暴に冬の海を走る。

身を切るような冷たさ、というか単純に痛さだ。顔をしかめながら横を見ると、彼女もものすごい形相。ビキニの華々しさは微塵もない。獣のように咆哮しながら、水を掛け合う、夏ならばじゃれ合っているようにも見えるだろうか、今はどうだ。僕らの今はどうだ。

再び走って海岸へ、身を寄せ合ってたき火に当たる、バスタオルで針のように痛い水滴を拭き、肩をこすり合う。冷え切った互いの身体が少しずつ温かく、僕らはガチガチ歯を鳴らしながら、笑い合う。彼女が鼻水を垂らした。







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